
Impression Sliders
言葉で書いた印象からスライダを生成するデザイン支援システム
最適化技術とインタラクション設計で、個人の世界を拡張する。
コンピュータと生成AIの発展により、誰もが、ソフトウェアや画像、音楽など、多様なものを簡単に、速く作れるようになりました。
しかし、その人にとって本当に良いものを見つけるのは簡単ではありません。作れるものが増えるほど候補は膨大になり、人間がひとりでそれらをすべて見比べることはできないからです。さらに、頭の中のイメージや好みが曖昧なとき、求めるものを数値や言葉ではっきり表すことは困難です。パラメータを一つずつ動かすスライダーや、言葉で指示するチャットといった既存のUIでは、こうした曖昧な要求に応えにくく、探索もユーザの知識や想像の範囲にとどまってしまいます。
そこで私は、膨大な候補の中から、本人が思いつかなかったものまで効率よく探す「最適化技術」と、曖昧なイメージにも対応できる「インタラクション設計」を組み合わせた研究・開発をしてきました。その領域は、視覚デザイン、プログラミング、3Dモデリング、写真編集、味の探索など多岐にわたります。人が自分の知識や想像の範囲を超えて、ひとりではたどり着けなかった本当に良いものに出会えるようになること。私はこれをその人の「世界の拡張」と呼び、システムを通じてその実現を目指しています。
さらに大学院では、結果だけでなく「探す過程」にも着目しています。求めるものは、探す前から決まっているのではなく、探す中で形になっていくものだと考えるからです。探索の中で思いがけない候補に出会い、視野が広がっていく。私は、そうした過程そのものがその人の世界を拡張するような探索のあり方を研究しています。
私のモットーは「とにかく作ってみる」です。面白いアイデアが浮かんだら、まず形にしてみます。その原点は、小学生のときにScratchでプログラミングを始め、自分の思い通りに世界を作れる面白さを知ったことにあります。
また、作るときは、できるだけ一から作ることを大切にしています。物理学者のリチャード・ファインマンの「What I cannot create, I do not understand.(自分で作れないものは、理解していない)」という言葉のように、私も、自分の手で一から作ることで、はじめて仕組みを理解できると考えています。たとえば、これまでに教育向けや量子コンピュータ向けのプログラミング言語を自作してきました。また、大規模言語モデル(LLM)の仕組みを理解するために、研究室のGPU1枚で、日本語のLLMをゼロから学習しました。さらに、Preferred Networksのインターンシップでは、権利クリーンな画像だけを使って、画像生成モデルをゼロから学習しました。最適化の枠組みやインタフェースだけでなく、その中で使う機械学習モデルまで自分で作ることができます。これにより、ユーザーがより少ない手間で、より満足できるものにたどり着けるように、システム全体を設計できると考えています。

言葉で書いた印象からスライダを生成するデザイン支援システム

PFNインターンで開発した、権利クリーンな画像だけで学習した画像生成モデル

どっちが好きかを選んでいくと好みにあった味が生成
スクロール速度に応じた段階的要約による文書提示手法の提案

複数のエンベロープで形作るストーリー創作システム

既存の映像メディアを「味わえる映像」にするシステム

量子コンピュータ向けプログラミング言語

教育向けプログラミング言語とそのweb実行環境