
言葉で書いた印象からスライダを生成するデザイン支援システム
Impression Slidersは、デザインに付与したい印象を自然言語で入力することで、その印象の度合いを直感的に強弱調整できるスライダを動的生成するシステムである。本システムは、写真への「不気味な雰囲気」の付加や、顔の表情を「笑いをこらえている」状態へと微調整するようなクリエイティブタスクへの適用を想定している。
写真のカラーグレーディングや3Dモデルの変形などは膨大なパラメータの組み合わせで決定されるため、意図するニュアンスへ近づけるために「どのパラメータをどの程度操作すべきか」をユーザ自身が判断することは極めて困難である。
そこで本システムでは、視覚言語モデル(VLM)を評価器として活用し、2つの候補デザインのどちらが指定された印象に近いかをペアワイズ比較させる。この比較フィードバックに基づく選好ベイズ最適化(Preference Bayesian Optimization)により、指定した印象を最も強く具現化するパラメータ構成を約45秒で探索・推定する。推定された最適状態がスライダの終点にマッピングされるため、ユーザはスライダを操作するだけで、元のデザインのニュアンスを目的の印象へとシームレスに変化させられる。
参加者19名を対象とした評価実験において、検証した全6種類の印象すべてで、従来のCLIPを用いた埋め込み空間上の最適化手法よりも、本システムが生成したデザインの方が意図した印象を有意に強く伝達できていると評価された。なお、本研究はACM UIST 2026のポスターセッションに採録されている。